着せ替え人形
それは私が中学生の時の話
当時携帯電話のi-mode 携帯掲示板でよく話をする人が数人居て 、妙に話が合ったりよくよく話をすると住んでる所は違えどだいたい同じ年代だとわかり、 今で言う「オフ会」を開催、皆で会う事になった。
一番初めは渋谷だったか、原宿だったか。。。 集合場所のハンバーガー店に行くと掲示板上に書かれていたのはもう皆集まっているという。
だが、それらしきグループは見当たらない
店内をうろちょろしていると 女の子から 「もしかしてさくら(当時のハンドルネーム)さんですか?」と声をかけられた。
私はとても驚く、何故なら私以外そこに集まっていたのは全員女の子だった。
完全に場違いな所に来てしまった、そう思ったが話しをしてみるとみんなそれぞれ思っていた性別と違ったらしい。。。
みんな私の事は女の子だと思っていたそうだ。。。
そんな衝撃の出会いから
話は盛り上がり あっという間に時間が過ぎた。
「また集合しよう!」 それから何度となくその集まりが開催され、池袋や秋葉原にも遊びに行くようになった が、中学生の経済力では 往復の電車代、移動の交通費だけでも厳しかった。。。
地方組の私は電車で2時間、往復には3000円程かかる。
他のメンバーも同様だ。
ひょんな事から 「みんなでバイトしてみない?」という話が出た。
だが当然中学生がアルバイトなど出来る訳がない。
もう時効ではあるが、年齢を偽り、高校生だと言うことにして日払いのバイトをやってみる事に。
目をつけたのはティッシュ配りのバイト 事前にメールでエントリーをし、 朝指定場所に集合、カゴに入ったティッシュを渡される。
配り終われば終了で日当を貰い解散となる。 これなら午前中バイトして、午後から遊べると考えたからだ。
当日の朝指定場所へ行くと仲間達は皆カゴを渡され、配りに立った。
が、 私だけ裏に呼ばれた。
「キミ、年齢いくつ??」
はい、
バレました。。。
中学生の自分は顔にどうしても幼さが残る。。
計画は私だけ失敗に終った。
当然その日の午後は反省会
なにか年齢をごまかす方法 はないか。。。
そこで出たのは
「あんたも化粧しちゃえば??」
そう、自分以外は女の子だ、化粧してしまえば顔は大人っぽく見える。。。
そんな訳で次回は女装で挑む事に決定したのだった。。。
それから1週間後 ついにバイトの日がやって来た。
バイトの時間より少し早く集合し、メンバーが持ってきてくれた服へと公衆トイレで着替えるとベンチへ座らされお化粧をしてもらった。
そう、まさに着せ替え人形状態。
初めての女装 でもそれが不思議と嫌じゃなかった。
鏡にうつる自分の姿は自分じゃないみたいだった。
エントリーしたバイトの集合場所へと向かうとカゴを渡され指定された場所に立った。
キタ━(゚∀゚)━!
作戦成功である。 無心で道行く人にティッシュを配布、あっという間に配り終った。
その日の午後はカラオケに行って大騒ぎ、お祝いをした。
「これ、レディースデーとかもイケるんじゃね?」なんて話になって映画を見に行くったり、それからというもの集まりの度に私は着せ替え人形になり、女の子としてバイト、仲間達と遊ぶのが慣例となった。。。。
正直男だってバレる気は全くしない、というか自分は本当に女の子なんじゃないかとまで思うようになっていた。
当然だが、親はこんな事をしているなんて知らない。言える訳もなかった。。。
当時付き合っていた彼女には「なんかお前他に女いない?」と怪しましまれたけどwww
ところが
完璧と思っていた女装が一瞬でバレる
見破った人がいたのだ。
いつものように街頭でティッシュを配っていると一人のお姉さんが私からティッシュを受け取った瞬間私の顔を2度見した。
私の事をまじまじと見る。
そして、顔を近づけると私の耳元でこう言った
「あんた男でしょ??」
私は固まる 今起きている事が理解できなかった。
おろおろしていると
お姉さんはかばんから何か取り出しこう続ける
「今度私のお店に遊びにきなさい。」
そう言って手渡されたのは名刺だった。
私の事を一瞬で男だと見抜いたのはオカマバーのママさんだったんだ。。。
つづく
何故こんな話を書いているのか? 本当は闇に葬り去るつもりでした。 でも、とあるフォロワーさんが ありのままを生きろというので。。。
オカマバーに遊びに行った話はまたの機会にさせていただこうかと思います。
つづきはまた そのうち
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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